二分脊椎とはこういうなのであるが

二分脊椎 ネットで調べると「なんらかの理由で脊椎の一部が分離した状態で生まれてくる先天異常」とある。遺伝子異常や食物や薬物がよういんという説もあるけど、まだ詳しくは解明されていないらしい、脊髄が露出するらしい

脊椎が分離する箇所によって症状は様々。脊椎のかなり上の方にコブができてるイギニョは胸から下が麻痺してるし著しい身体の変形もる。二分脊椎の中でも結構重めの症状なのかんと思う。

なぜわざわざブラジルから日本に移住してきたのか?

そんな彼がなぜわざわざ祖国ブラジルを離れてにほんに渡ってきたかというと…「ブラジルは完全に車社会だからね。電車である程度どこでも行けて公共の施設も大体バリアフリーのにほんなら僕でも一人暮らしでると思ったんだ。」「日本の文化や発達したテクノロジーも魅力だけど、なんといっても交通の便だよ!」ブラジルでは毎日つうきんするのに運転手を雇っていた。しかもこのひとけっこーチコクする…

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なぜ二分脊椎症を抱えて車いすに乗る彼が日本移住したか?

二分脊椎で車椅子なしには外出できない彼が、なぜわざわざ祖国ブラジルでのキャリアまで捨てて日本に渡ってきたのか!?

彼の話を聞くと、あまりバリアフリーなイメージがない日本も、住みやすい国のようです。

まず、公共交通機関が整っていて、大体の場所は電車やバスを乗り継いで行ける。

駅などの公共施設がバリアフリー。

身体障害者手帳保持者への福利厚生が厚め。

ちなみに都会・東京に憧れて移住してきたイギニョの理想の暮らしは、

六本木ミッドタウンとかに直結してる億ションとかに住うアーバンライフなんだそう。

まず子育てにおいての快適さを考える私には、「は?それの何が楽しいの?」って思っちゃうけど、

  • そこかしこバリアフリーで移動のストレスがなく
  • 手に入れたいものが近場で手に入って
  • 職場にもアクセスがよく
  • お店で英語が普通に通じる

っていうのは彼には重要なポイントなんだと思う。

私と一緒に住むようになる前は、新宿にほど近い渋谷区にある、古いマンションに住んでいて、私から見たら狭いし汚らしいし(水道ひねったら茶色い水が出る、部屋の中のカビがすごい、洗面台が傾いてるなどなど)快適な生活とは程遠そうだったんだけど、

彼にとっては夢の城だったみたい。なんたって生まれて初めての一人暮らしを始めた、「俺の城」だったもんで。

週3スキヤの焼き鮭定食を食べて(偏食な彼が見つけためちゃ美味しい外食だったらしい)、いつでも近所のコンビニでおにぎりやアイスを買えて、大江戸線は無料で利用できる。

足を伸ばせばすぐあるきれいな商業施設。(車いすだから海とか山とかあまり楽しめないもんね…)そんな都会生活に彼は今でも憧れているはず。

都内以外は車いすには優しくできていない街もいっぱい

今は神奈川県の端っこの、都内までの通勤は1時間以上かかる場所に住んでいる。

なぜそんな場所を選んだかって?

私の実家が近いからだ!以上!!!

そもそもイギニョから物理的なサポート(保育園の送り迎えとか、車出して買い物とか、掃除機かけるとか、洗濯物干しとくとか、頼めば世のパパがやってくれるような家事の一部)を得られない中、フルタイムで働くことが私には無理だと判断して、(もちろんワンオペですべてをこなしている素晴らしいお母さん達はいるけれども、人間も個体差あるからね!)

いつでも私の母にヘルプを頼める、実家から徒歩10分という場所に、築40年超えの一軒家を借りたのだった。

このあたりは海が近いので、海辺の生活に憧れた移住者がたくさんいるけど、

そもそも海水浴もサーフィンも、砂浜を散歩すらできない彼には、特に魅力のない片田舎なのである。

観光客向けのこじゃれたカフェやバーがあっても大抵バリアフリーじゃないし、

彼の好きなショッピングモールも電車に乗らないとない。最寄りのコンビニだってちょっと歩かないとない。駅からだって15分くらいかかるから、雨の日なんか、車いすも彼もびしょ濡れになってる。

私も前結婚していた当時は、端っこの方とはいえ都内に住んでいたし、

都内に住むことの便利さも知っているけど、30過ぎて、かつて生まれ育った街に戻ってきたら、実家が近いこともあるけど、なんかゴミゴミしてなくて快適で…。

夏は海で一日中タダで遊べて私も子ども達も満足だし。(イギニョは大体お留守番)

野菜が新鮮で安い八百屋さんもあるし。

息子が通う小学校は勝手知ったる、私の母校だし。

住んでいる人達もほどよくラフで、要するに楽チンなのだ。

それでもブラジルと比べて素晴らしいところ

都内と比べたら不便なことも多い私の街なのだが、それでもブラジルと比べたら格段に住みやすいというのがイギニョの意見。

まず治安。このあたりは非常にのどかなので、夜でもランニングする女性や塾帰りの子ども達を見かけるほどに安全。夕方になってきたらそろそろ徒歩で歩くのが危険になってくるブラジルと比較したら、余計な心配をせず暮らせるというメリットがある。

時間を気にせず出歩けて、少し歩けば電車にもバスにも乗れる環境は、運転ができないイギニョからしたらじゅうぶん魅力であるに違いない。

でもまあ本当にイギニョの住環境の快適さを考えたら、一緒に都会に暮らすことが愛のひとつの形とわかりつつ、彼には大変申し訳ないけれども、

もうズブズブの地方都市住まいが板についた私は、都会ではもう二度と暮らせないかもな…なんて思っている。

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